ゼロ円起業の中村です。
「事業計画書をどのように書いたらいいのかわかりません・・・」
よくこうした相談を受けることがあります。
銀行から融資を受ける際、必ず求められるのが「事業計画書」です。
今回は、この事業計画書を書くコツをお伝えします。
事業計画書に形式はない
まず、事業計画書には決まった形式はありません。
ネットで検索すると、たくさんのテンプレートが出てきますので、その中から自分にあったものを選ぶといいです。
事業計画書の目的
相手はあなたの事業や業界を知らない
そもそもなぜ事業計画書が必要なのか?
事業計画書は、
「見せる相手に自分の事業がどういうものかをわかりやすく説明して理解してもらう」
ための資料です。
銀行を相手に考えたとき、基本的に銀行の融資担当者はあなたの事業を何も理解していません。業界のことを知りません。
そういう方でも事業計画書を見れば、きちんとあなたの事業や業界のことが理解できる内容でなければならないんですね。
なので、事業計画書を書く際は
「専門用語はできるだけ使わず、中学生でも理解できるような書き方」
で書く必要があります。
稟議書を書きやすくするための補足資料
もう1つ。
銀行の融資担当者は毎日何十件という面談をしています。
そして、実際に融資を行う際、担当者は稟議書を書いて、上司に融資を行っていいかどうかの判断を仰ぎます。
毎日何十件と面談をしていると、当然面談時に話した内容に抜け漏れが出てきます。
こうしたことを防ぐために事業計画書があります。
事業計画書に事業内容や業界の現状などがしっかりと書かれていれば、銀行担当者が稟議書を書きやすくなります。
事業計画書にはこういう補足資料という側面もあります。
事業計画書に書く内容
では、実際に事業計画書には何を書いたらいいのか?
私達がサポートする際いつも書いている内容は下記の通りです。
実際に作成したものを例にご紹介します。
(※固有名詞や数字は伏せています)
0.表紙
銀行に提出する書類なので、宛名は「●●銀行 御中」としっかり書いておくと良いです。
1.創業の動機
銀行担当者が見るポイントの1つが「業界歴」です。
例えば、飲食店をやるなら、これまで飲食業界でどれくらい働いてきて、どんな経験があるかを見られます。
その上で、開業の動機もチェックされます。
2.コンセプト
1.の中に含んでいますが、お店のコンセプトもしっかり見られます。
コンセプトがぶれていたり、そもそもコンセプトすらないお店はほぼ間違いなく潰れてしまうので、そういう方は容赦なく切られます。
3.店舗(事業)の概要
融資を受ける際は、予め出店場所を決めておく必要があります(※本契約の必要はありません。あくまでも仮押さえでOK)。
その候補物件でどのようなお店を作るのか?
それをわかりやすく説明します。
4.強み(売り)
銀行担当者が一番気になる部分がここです。
あなた自身または事業の強み(売り)が何か?
世の中に同業他社は腐るほどあります。
その中で、何を売りにして勝負をするのか?
それで本当に差別化できるのか?
競合他社との差別化要因が明確でないと融資実行のハードルは一気に高くなります。
5.現状の課題と次善策
ここは自己分析です。
客観的に事業の課題を理解しているか、それに対してどのような対応策を取るか。
課題がありすぎてもよくないですし、逆に課題がない事業はありえません。
課題として3つほど抽出して、それに対する対応策もしっかりと書いていきます。
6.数字算出の根拠
この「数字の根拠」もしっかり見られます。
多くの銀行では、各業界の平均データというのを持っています。
例えば、新宿の20坪前後の飲食店であれば売上はこれくらい、利益はこれくらい
7.収益シミュレーション(初年度月次計画、5ヶ年計画)
最後に収益シミュレーションです。
初年度分は月ごとの数値、それプラス向こう5ヶ年分の年次数値計画があると理想的です。
この数字もただやみくもに書くのではなく、しっかりとした根拠が必要です。
例えば、売上であれば、客単価がどれくらいか、客数はどれくらいか、それぞれの根拠となるものは何か?などです。
まとめ
よく言われるのが、
「銀行は数字でしか物事を判断しない」
なので、人の教育がどうとか、お店の雰囲気がどうとかはあった方がいいけどそれほど重要視されません。
それよりも、売上の根拠は何で、なぜその数字になるのか?どんな集客策を立ててそれぞれの施策でどれくらいの集客が見込めるのか?それに対する費用はどれくらいかかるのか?
といったことを数字で説明するほうがよっぽどプラスに働きます。
ですので、事業計画書を作る際は、
できる限り数字で理論的に説明できるようにしておくと良いです。
ぜひチャレンジしてみてください。
また、どうしても自分では書けないという方は、ゼロ円起業では、こうした事業計画書の策定支援も行っていますので、お気軽にご相談ください。