美容室の開業費用はいくらくらい必要?

 

初期費用0円でお店を開業する「ゼロ円起業」の中村です。

 

さて、今日は美容室の開業費用の話。

美容業界は、私が経営コンサルタントとして10年以上携わっている業界です。

 

そのため、これまで見てきたことも含め、色々とお伝えできることがあるかと思います。

 

美容室を開業する際、どれくらいの費用がかかるのか?

 

大きくは、お店を開業するだけで下記の費用がかかります。

 

●物件取得費
●内装費
●美容機材、什器備品
●広告費
●人件費

 

1つずつ見ていきたいと思います。

美容室を開業する場合

物件取得費

 

物件取得費とは、テナントを借りる際にかかる費用です。

 

一般的には下記のような費用がかかります。

●前家賃:家賃の1ヶ月分
●保証金(敷金):家賃の3ヶ月分~24ヶ月分
●仲介手数料:家賃の1ヶ月分
(●礼金:家賃の1ヶ月分)

 

保証金は、地域や物件によって大きく変わります。

 

特に東京都内は最低でも5ヶ月分程度は必要になることが多いようです。

 

例えば、表参道で美容室を始める場合。

表参道の家賃相場:約35,000円/坪です。

仮に15坪のテナントを借りる場合は、15×35,000=525,000円/月となります。

 

つまり、物件取得費は、

●前家賃:525,000円
●保証金:(6ヶ月分として)3,150,000円
●仲介手数料:525,000円

 

合計:4,200,000
(※礼金除く)
という計算です。

 

内装費

 

居抜き(前オーナーの内装や什器備品をそのまま譲り受ける)の場合と、

スケルトン(内装も什器備品も何もないまっさらな状態)の場合

で金額は大きく変わってきます。

 

仮にスケルトンだった場合、

 

東京での内装費の単価は東京オリンピックの影響で高騰しており、約60万円/坪ほどかかると見ておいたほうがいいです。

 

つまり、15坪のお店であれば、

 

15坪×60万円=900万円

 

ほどかかります。

 

居抜きの場合だと、スケルトンよりコストは抑えられますが、状態により大きく金額が変わります。

 

汚れが少なくきれいな状態で、ほとんど手をかけずに済むのであれば数十万円で終わることもありますし、状態が悪い・自分の考えているお店の雰囲気と異なり大幅に変えるということであれば数百万~場合によってはスケルトンとあまり変わらない金額になることもあります。

 

居抜きの場合だと、ざっくり400万円~600万円くらいを見ておけばいいかと思います。

 

参考までに・・・

 

居抜き物件の場合でも、エアコンは取り替えることをオススメします。

 

経験上、居抜きで残っているエアコンをそのまま使用したとしてもすぐに故障してしまって、結局買い替えするケースがよくあるからです。

 

また、前の店舗の業種によっても余計な工事が発生することがありますので、契約前に内装会社に内覧同行してもらい、概算でどれくらいの費用がかかるかとしっかりと見積もってもらうことが重要です。

 

どうしても内装費を抑えたいということであれば、内装の一部を自分自身でDIYをするのも1つの選択肢です。

美容機材、什器備品

 

ご存知の通り、美容機材は高価なものが多いです。

 

そのため、厳選して選ばないと予算を大きくオーバーしてしまうので要注意です。

 

また、中古品を上手に取り入れるのも1つですね。

 

入れるものによって異なりますが、おおよそ

 

1,500,000円~3,000,000円

 

くらいは見ておいたほうがいいです。

 

 

中古品を購入するときも注意が必要です。

中古品と言っても状態は様々ですが、安さだけに目がいってしまい、結局あとから新品を買い直したという話もよくある話です。

 

また、中古品は保証期間が短かいため、故障時に余計なコストが発生し、結局新品を買うのとあまり変わらない金額になってしまうこともあります。

広告費

いくらいいお店を作っても、その存在がお客様に知られていなければ存在しないのと同じです。

 

最初からガンガン広告を使う必要はないものの、やはりある程度は広告予算を確保してお店の認知度を上げていく必要があります。

 

理想は、前のお店のお客様がある程度来店してくれて、そこからの紹介で新規客を増やしていくことです。

 

参考までに、これまで見てきた経験上、前のお店のお客様がお店に来てくれる割合は約50%。

 

前のお店で200名ほどの指名客がいたら、そのうち100名が来店してくれたら御の字という感じです。

 

なので、約半分のお客様が来店すると想定して、プラス何名ほどの新規客を広告で集める必要があるかを計算した上で、広告展開を行なうといいです。

 

また、広告媒体選びも重要です。

きちんとターゲットに合った媒体を選択しないと、お金のムダなので。

 

媒体としては、

●かみまど

●エキテン

●EPARK

●ホットペッパービューティー

●Facebook・Instagram広告

●リスティング広告

●ホームページ(ブログ含む)

など

 

オススメは、ホームページをきちんと作り、ブログを更新して集客すること。

これが一番コストが掛からず、かつリピート率の高いお客様に来てもらえる集客法です。

 

私のお客様でも、色々な媒体で広告をしてきたが、結局ここにたどり着く方がほとんどです。

 

詳しくは無料相談時に来ていただいた際にお伝えします。

人件費

 

スタート時は1人でやるという方も多いかと思います。

 

その時は人件費を考慮する必要はありません。

 

最初からアシスタントを入れる、あるいはスタイリストも入れるという場合は、その方々の給料分です。

 

参考までに・・・

 

アシスタント:18万円~

スタイリスト:20万円~

 

程度は見ておいたほうがいいです。

 

それプラス、残業代や社会保険なども加えると、それなりの金額となります。

初期費用だけでこれだけのお金がかかる

ざっくりとした計算ですが、15坪のお店をオープンする前の初期費用だけで、

●物件取得費:4,200,000円
●内装費:4,000,000円(居抜き)~9,000,000円(スケルトン)
●美容機材、什器備品:1,500,000円~3,000,000円
●広告費:200,000円~300,000円
●人件費:300,000円

 

合計:1,020万円~1,680万円

 

くらいはかかります。

 

居抜き物件で内装費があまりかからない、広告費や人件費を限りなく抑えるという場合でも、やはり

 

700万円~800万円

 

はかかると思っていただいたほうがいいです。

融資だけでは賄えない可能性がある

これだけの初期費用をかけてお店を開業するわけですから、弊社に相談に来る方は基本的に皆さん本気で覚悟を決めている方ばかりです。

 

しかし、ここで問題が出てきます。

 

「これだけの金額を融資してもらえるのか?」

 

例えば、ほとんどの方が使う「日本政策金融公庫」の創業融資では、自己資金の9倍までは貸し出ししますとなっています。ただ、実際自己資金の9倍まで借りられる方はほとんどいません

 

うまくいくかどうかわからない新規開業者に数千万円もの融資をいきなり出すというのはかなりのリスクですよね。

 

当然、金融機関も貸し倒れリスクを少しでも減らしたいわけなので、結果初期費用全額を融資だけで賄うというのは難しくなってきます。

 

なので、弊社はリースやクレジットというツールを用意しています。

 

リースクレジットと創業融資、クラウドファンディングや助成金補助金を上手に組み合わせて、開業資金を確保し、開業をサポートする。

 

そして、お店が1日でも早く軌道に乗るために必要なツールもすべて用意しているというわけです。