保証協会セーフティネット保証の注意点

中村です。

毎日のように新型コロナウイルス対策融資の問い合わせがあり、うちも微力ながら融資のサポートをしています。

その中で特に保証協会付き融資について感じたことをまとめてみました。

保証協会に直接融資の申込み・・・は間違い

実は知らない方もいるので、今更ですが説明しておくと保証協会は直接融資はしていません

保証協会(正式には「信用保証協会」)は、あくまでも民間の金融機関などが行う融資の【保証】を行うだけで、実際の融資は銀行や市区町村・都道府県が行います。

保証協会に直接融資の申し込みをする人もいますが、それは間違いで、保証協会は融資を行っていないので「どこかの銀行経由で申し込んでください」と言われます。

多くの場合、自社で使っているメイン口座の銀行に相談に行きますが、必ずしもその必要はなく、融資に積極的な地銀や信金などに融資の相談をしてもまったく問題ありません。

実際、うちは今回のコロナとは関係ないですが、融資を受ける際メイン口座の銀行ではなく別の融資に積極的な信金に相談して、創業2年目ながらプロパー融資を受けることができています。

セーフティネット保証4号・5号、危機関連保証について

これらはすべて保証協会が保証をする一般枠とは別枠の融資です。

先程も書きましたが、実際に融資をするのは銀行や市区町村・都道府県です。

なので、すべて申込はそれらの窓口となります。

ただ、今回やっかいなのは「認定申請書」という書類を一度管轄の市区町村に持っていってハンコを押してもらわなければ適用されません

現状は地域によってはこの認定申請書のハンコをもらうだけで1ヶ月以上待たなければいけないという状況です。

ハンコをもらって、銀行に融資の申込みをして、面談をして、結果が出て、契約をして着金なので、下手すると融資の実行まで2ヶ月位かかってしまうこともあります。

なので、向こう2ヶ月を見たときに、明らかに追加の資金調達が必要な場合は、今キャッシュが残っていたとしても今からすぐに融資の準備をすすめることをオススメします。

でないと、必要なときすぐに資金調達はできないからです。

実際に、うちで手伝っている先でも認定申請書の申込の連絡をしたところ、申込は予約制で最短でも5月中旬まですでに予約が埋まっていると言われました。

今すぐ必要な資金にも関わらず、どんなに早くでも5月中旬までは何も動けず、そこから銀行申込、面談、結果、契約、着金なので今すぐ動いたにもかかわらず融資のOKが出て着金するまではどんなに早くても5月下旬です。

つまり4月は自前の資金で乗り越えなければいけません。

こういうケースが今後さらに増えていきます。

なので、何度も書くようですが遅かれ早かれ資金調達が必要な会社(個人事業主含む)は今すぐ融資の申込準備を始めてください。

でないと、必要なときに資金調達が間に合いません。

融資のスピードと確率を上げるには事業計画は必須

これも実際に動いていて改めて感じたことですが、公庫であっても保証協会付き融資であってもせめて「事業計画書」は作って持っていってください。

事業計画書とは単なる数字の羅列ではなく、自分の事業がどういったものか、市場背景はどうで、現状どの様になっているのか、そして今後どのような取り組みをして売上を伸ばしていくのか・・・などをまとめた資料です。

これプラス3~5ヶ年の収益シミュレーションをつけられれば完璧です。

私が融資の面談に同席した際、ほぼすべての銀行担当者、公庫担当者が口を揃えて言うのが「こういう事業計画書があると助かります」という言葉です。

結局、担当者も支店長や融資課長などでなければ決済権を持っていないので、お客様に融資をするためには銀行内で上司にこのお客様に融資をすべきという理由をまとめた「稟議書」を上げなければいけません。

この稟議書は書くのに非常に手間と時間がかかります。

今、これだけ相談が多い中、1件1件じっくりと稟議書を書くヒマなど当然ありません。なので、事業計画書もないような方の稟議書はそれなりに手を抜かないと件数をこなせないんですね。

一方、しっかりと事業計画書や収益シミュレーションを作っている方は稟議書も書きやすく、またこういう方は返済もきちんと行ってくれる良客になりやすいので担当者も頑張ってくれます。

結果、融資のスピードが上がるし、融資もおりやすくなるんです。

コロナ対策融資とはいえ、一発勝負という面では通常融資と変わりません。

なので、融資のスピードと確率を上げたいなら、事業計画書と収益シミュレーションくらいは最低でも作っておくことをオススメします。

うちが相談を受けてサポートするのはほとんどがこの部分です。

持続化給付金について

個人事業主で最大100万円、中小企業で最大200万円もらえるという「持続化給付金」についても問い合わせをもらいます。

ただ、この給付金は現在(2019.4.12時点)まだ受付は始まっていません。というか詳細もまだ決まっていません。

なので、役所に問い合わせをしても、役所の現場も何も決まってないので答えられないのは当然なんです。

この給付金はあくまでも補正予算の成立(おそらく4月下旬くらい)があって初めて動き出すもので、実際に受付開始するのは5月中旬~下旬くらいと言われてます。

なので、もしこれを頼りにしている方がいたら、少なくとも5月いっぱいくらいは自前の余剰資金でやりくりしなければいけませんので要注意です。

まとめ

以上、実務で動いている中で感じたことなどをまとめてみました。

一応、コロナ対策融資については別の専用サイトを作っていますので、そちらも参考にしてみてください。

 

コロナ対策融資専用サイト

https://finance.dreamsuccess.co.jp/

 

今回のコロナ対策融資は自分でもできるものなので、できるだけ自分でやってみてください。

それでもどうしてもやり方がわからない、あるいは事業計画書などが作れないという場合はうちでもいいですし、周りの融資に強い税理士などに相談してみてください。