開業資金を用意する際、多くの人が「銀行融資」を受けます。
数回に分けて、銀行融資の流れについてお伝えします。
まだ「その1」を読んでいない方はこちらからご覧ください。
2.政策金融公庫のホームページより必要書類をダウンロード
各種申込書類はすべて政策金融公庫のホームページからダウンロードできますので、ダウンロードして必要事項を記入していきます。
⇒ 必要書類はこちらをご参照ください
ネット環境がなかったり、プリンターがない場合は、直接窓口に行けば同じ書類がもらえます。
3.必要事項を記入
ここで注意が必要なのが、これらの書類だけでは足りないということ。
政策金融公庫で見られるポイントは、
●代表者の経歴・実績
●セールスポイント
●自己資金
です。
「代表者の経歴・実績」では、これからやる事業の経験があるかどうかが問われます。
例えば、お金を貸す側の立場になって考えてみてください。
ずっと事務職をやってきた人間がいきなり飲食店を開業すると言われて、果たしてお金を貸したいと思うでしょうか?飲食経験が何もないとうまくいく可能性は限りなく低いと思いますよね。
逆に、例えば長年焼鳥屋で働いて店長も務めた人が、自分で焼鳥屋を開業したいとなれば、経験もあるし、仕入先も確保しているし、お客様もある程度はついてくると考えますよね。ということは、それだけうまくいく可能性は高くなります。
このように、目の前の人が開業までにどのようなことをやってきたかはかなり見られます。
2つ目が「セールスポイント」。
他のお店と比べて、差別化要因があるかどうかということです。
例えば、美容室を例に上げてみましょう。
美容室は全国で約35万軒あると言われていて、コンビニの約5倍ほどの軒数です。
それほどたくさんある美容室業界で競合店と同じようなことをやっても、勝てるわけがありません。
いかに他と比べて強みとなる部分があるかどうかが見られます。
「強みがなくても今のお客様がついてきてくれれば大丈夫!」
という人もたまにいます。
ただ、私達の実感値としては、約半分のお客様がついてきてくれれば御の字。
どんなに親しくて「必ず新しいお店にも行くね!」と言っているお客様だったとしても、必ず独立とともについてきてくれるとは限らないというのを理解しておいてください。
さらに言うと、お客様は基本「浮気性」です。
これはどの業種にも言えることですが、もっと他にいいお店・会社があれば簡単に浮気するのがお客様です。
だからこそ、自分の強みを明確にして、それを売りにする。そして、その内容をしっかりと政策金融公庫の担当者にもアピールする必要があります。
ちなみに、もし書類に書ききれない場合は、別紙で用意しても構いません。むしろ、別紙で用意した方がいいです。
出来る限り詳細に経歴や強みを書いていきましょう。
3つ目が「自己資金」。
うちに相談に来る方の中にも「自己資金がほとんどないです」という方がいらっしゃいます。
これは経験則ですが、銀行融資を受けたいのなら少なくとも「100万円」は自己資金を貯めてください。
これから開業して何が何でも成功するぞ!という覚悟を持っている人であれば、100万円くらいは貯めているでしょ、というのが銀行側の論理です。100万円すら貯められない人が事業を始めても失敗する可能性が高いと思われているんですね。
あとは、貯め方も見られます。
例えば、毎月コツコツと貯めた100万円と、ある日突然銀行口座に入金された100万円。
同じ100万円ですが、銀行側からするとまったく違う見られ方をします。
理想は前者。
開業するためにコツコツと貯めているというのは準備をしっかりしているというアピールに繋がります。
逆に突然入金されたものは誰かから借りたもの(見せ金)と思われる可能性大ですのでオススメしません。
次回は、実際に政策金融公庫に出向き、融資が実行されるまでについてお伝えします。
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