飲食店開業の基本はゴールから逆算すること

 

ゼロ円起業の中村です。

 

ゼロ円起業の相談に来る方の約半分は飲食店開業を希望する方です。

 

居酒屋、焼鳥屋、バル、ラーメン店、寿司屋など様々な分野の相談を受けていますが、今回はすべてに共通する飲食店開業の基本について書いていきます。

事業のゴールを設定する

 

飲食店業界は流行り廃りが激しい業界です。

 

例えば、ラーメン店がわかりやすいですが、豚骨、つけ麺、家系、エビスープなど色々なものが出てきていますが、どれも1~3年の波があり、ブームの始まりには一斉にお店ができるが、一波過ぎると一気に閉店する。

 

もちろん、その中で流行りに影響されないものを作り上げるのが理想ですが、仮にそれができたとしても個人事業主のお店や小さなお店はやはり流行には左右されがちです。

 

そんな中で、長く経営していくためには【ブレない軸】を持つ必要があり、【ゴールを明確にしておく】必要があります。

 

自分の軸がブレると何をやってもうまくいきません。

 

お客様にも迷走していることが伝わり、客離れが進みます。

 

だからこそ、しっかりとブレない軸を持つこと。

できるだけ具体的に設定する

 

そしてゴールとは、例えば、

『5年後に10店舗まで拡大して事業売却をする』

『3年後に5店舗まで拡大してFC展開を行う』

『5年後にIPO(株式上場)をする』

などできるだけ具体的に設定することです。

 

一番ダメなのが、

 

「1店舗で利益はわずかでもいいから長くやっていきたい」

 

というゴール設定。

 

もちろん、それでうまくいってるお店もたくさんあります。

が、それはほんの一握り。全体の数%あるかないかです。

 

しかも流行に左右されやすく、天気にも左右されやすく、景気にも左右されやすい業界で、たった1店舗のだと何かあったとき、あっという間にお店の経営が厳しくなります。

 

まだ事業をしている内はいいですが、ご自身で経営する以上は将来のことも考えなくてはいけません。

 

仮に65歳で引退したとして、死ぬまでの間に必要な老後資金は約7,000万円ほど。

 

サラリーマンやOLであれば、年金で約半分は補えますが、自営業者の場合はほとんどが国保です。

 

前にも書きましたが、国保で出る国民年金は月額わずか数万円。

 

つまり、国民年金は老後資金の当てにはならないんですね。

 

であれば、今やっている事業で老後資金を確保するか、引退しても生活していけるだけの収入が入ってくる仕組みを作っておかなければいけないんです。

 

それをたった1店舗の小さなお店で達成できるでしょうか?

 

とても難しいですよね。

 

だからこそ、せっかく起業するなら小さくまとまらず大きなゴールを設定してそれに向かって突き進まなければならないんです。

投資回収の期間から逆算して初期費用を算出する

 

私達が相談を受ける際、よくお客様に質問するのが、

 

「どれくらいの期間で投資回収しようと考えていますか?」

 

という質問です。

 

飲食店の場合は、できれば1年ほど、長くても3年程度で回収できなければその後の事業拡大は非常に厳しくなります。

 

例えば、お店を開業するにあたり1,000万円かかったとしたら、1年で回収だと毎月83万円以上の利益、3年で回収だと毎月27万円以上の利益が出て、ようやく回収できます。

 

これは自分の生活費抜きです。

 

自分の生活費も考慮すると、少なくとも上記以上の利益を出していかなければ回収はできません。

 

では、現実的にこれからやる事業では毎月どれくらいの利益が出せるのか?

 

向こう3年で毎月20万円の投資回収を見込むのであれば、初期投資額は720万円くらいまで。

毎月30万円の投資回収を見込むのであれば、初期投資額は1,080万円くらいまで。

 

それくらいに抑えないと回収が難しく、次の展開もなかなか進めなくなってしまいます。

 

もしあなたが飲食店を開業しようと考えているなら、こうしたことをしっかりと考え、自分の考えをまとめた上で独立開業に向けて進むことをオススメします。